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リズムマシンRolland TR-808(通称「ヤオヤ」)にその名を由来する808 State。1988年、マンチェスターのレコード・ショップ"Eastern Bloc"を拠点として、Martin PriceとGraham Massey、Gerald Simpson(MC Tunesも当初から参加していた)によって結成。同年、Martin Price主催のレーベル、Creed Recordsからファーストアルバム『Newbuild』をリリースし、89年にセカンドアルバム『Quadrastate』をリリースするまでの間にGerald SimpsonがA Guy Called Geraldのプロジェクトのために離れ、Andrew BarkerとDarren Partingtonが代わりに参加する。そして伝説のマンチェスターのクラブ"Hacienda"を中心にクラブ・シーンで活躍しはじめる。ZTTレーベルに移籍して制作された通算3作目にして、初のメジャー・アルバムが本作である(この後、世界的な成功をおさめるアルバム『ex:el』でMartin Priceが脱退する)。シカゴ・ハウスやデトロイト・テクノに対するUKからのリアクションを体現し、アシッド・ハウス=レイヴ・カルチャーの代表的アーティストとも言われる。しかし、ブリープ・ハウスを出自としながら、YMOのようなテクノポップの影響も拭いきれない。
アルバム・タイトルが物語るのは、90年代に対する自己表明なのだろう(その意味で、Soul II Soulと似通う)。少なくとも、アシッド・ジャズの背景にあったアシッド・ハウスを代表するものである。このアルバムでは、やはり「Pacific 202」の透明感と疾走感がとても印象深い。ラテン的リズムとフュージョンにも似たマシーン・ライクなメロディは流麗そのもの。
1. Magical Dream
2. Ancodia
3. Cobra Bora
4. Pacific 202
5. Donkey Doctor
6. 808080808
7. Sunrise
8. The Fat Shadow (Pointy Head Mix)