Blue Lines

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折しも湾岸戦争のさなかにリリースされた名アルバム(そのせいで、当時リリースされたアルバム・ジャケットには"Attack"の文字が消える)。倦怠感と閉塞感、漠然とした哀愁が入り交じる。3DことRobert Del NajaとDaddy G、DJ Mushroomによって結成されたMassive Attackは、英ブリストルのDJ集団Wild Bunch(Soul II Souに参加するNellee Hooperも在籍していた)を母体として、ヒップホップやレゲエ、ダブといった要素を取り込んだいわゆるブリストルサウンドを特徴としていた。この特徴はジャマイカやインドからの移民が多いブリストルというローカル性にも由来しているが、彼らがメイン・ストリームに登場した背景に、グラウンド・ビートがあったことは何よりも大きかったに違いない。Massive Attackをそのフォロワーとみなすことには異論が多いだろうが、生まれた土壌は近似的に見える。ただ、そのブームが去った後も一線で活躍し続けていることを評価すべきだろう。
「Safe from Harm 」はジャズ・ドラマーBilly Cobhamの「Stratus」からベース部分をサンプリングしたリズムにTrickyの気だるいラップが重なる名曲。William DeVaughnのメロウ・ソウルのカヴァー「Be Thankful for What You've Got」も素晴らしいが、最後を締めくくるレゲエヴォーカリストHorace Andyの柔らかい歌声が響く「Hymn of the Big Wheel」も捨てがたい。 付け加えるなら、アート・デザインも秀逸だ。『Mezzanine』から作風が変わったが、グラフィティ・アーティストでもあるDel Najaが担当している。
1. Safe from Harm
2. One Love
3. Blue Lines
4. Be Thankful for What You Got
5. Five Man Army
6. Unfinished Sympathy
7. Daydreaming
8. Lately
9. Hymn of the Big Wheel