United Future Organization

United Future Organization

日本フォノグラム傘下に自らBrownswoodというレーベルを立ち上げ、1993年6月25日にリリースされたUnited Future Organizationのファースト・フル・アルバム。93年は、まさに日本においてアシッド・ジャズ・シーンの定着を印象づける年だ。幕開けを飾る穏やかな「The Sixth Sense」ではGalliano。ラテン・フレーバー原曲を大胆にアレンジした「I'll Bet You Thought I'd Never Find You」ではJon Hendricks。アルゼンチン・タンゴを彷彿させる変拍子「My Foolish Dream」(もちろんArchie Shepp「Song For Mozanbique」が元ネタ)ではマンデイ満ちる。その他、多くのミュージシャンが参加することで、単なるDJ的サンプリング・ミュージックを超えた作品に仕上がっている。また、ダンスという機能に偏らない方針はアルバムとしての完成度を高めていると言っていい。ここには「Loud Minority」は収録されていないが(その系統では「Off Road」)、新たな方向性として打ち出されたのは「メイド・イン・ジャパン」の「作品」への希求だったのかもしれない。少なくともジャズDJがアーティストという「作者」となり得ることを証明した点で、U.F.O.という存在は日本において大きなものであった。
1. The Sixth Sense
2. On Est Ensembel Sans Se Parler - L.O.V.E.
3. Vinyl Junkie
4. Upa, Neguinho
5. I'll Bet You Thought I'd Never Find You
6. Poetry And All That Jazz
7. Be Here Now
8. My Foolish Dream
9. Off Road