True Spirit

True Spirit

True Spirit
Young Disciplesのディーヴァ、Carleen Andersonのソロデビュー・アルバム。彼女の母親は、James BrownファミリーのヴォーカリストだったVicki Anderson。そして、義父Bobby ByrdもまたJ.B.ファミリーのピアノ奏者。音楽一家に育った彼女が音楽に興味を持つのは当然のなりゆきだったが、必ずしも幸福な幼少期ではなかったようだ。両親と一緒に過ごした時間はわずか、テキサスで厳格な祖父母に育てられたという。その影響もあってか、ゴスペル・ミュージックへ傾倒する。また、早くに結婚したもののシングルマザーとなった苦節もある。そして、母親からの誘いもあってイギリスへ移住したのが90年、そこでMarcoとFemi(Young Disciples)と出会う。当初、「Get Yourself Together」をシングル・リリースするためだけの参加が(シングル化されず)、アルバム『Road To Freedom』(1991)の制作にまでたずさわることでYoung Disciplesの正式メンバーとなる。「アルバムを作ったのも、ダメになったのも、たぶん同じ理由だと思う」と彼女が言うように、偶然による出会いはあっけなく終わる。解散の理由はほとんど語られないが、美談ではないのだろう。その後92年、Galliano「Skunk Funk」やOmar「Who Chooses The Seasons」、Paul Wellerのプロダクションに参加し、93年にVirgin傘下のCircaレーベルとソロ契約を果たす。
本作では、Ian Greenをプロデューサーとして迎え、Carleen Andersonソング・ライティングと歌うことに徹する。それはUKソウル・シンガーが目指す典型にも思える。したがって、このアルバムにアシッド・ジャズを期待するのは間違いだ。「Let It Last」では、Brendan Lych (Lych Mob Productions)プロデュースのもと、元盟友Marco NelsonやMick Talbot、Crispin Taylor(ClapsでNorman Jayまでも)が参加しているが、初期アシッド・ジャズの面影を見出すのは難しい。むしろ、独特な高音の歌いまわしが込み上げる情感をあらわす彼女の歌声を聴くべき。
1. True Spirit
2. Morning Loving
3. Mama Said
4. Ain't Givin' Up On You
5. Only One For Me
6. Nervous Breakdown
7. Secrets
8. Let It Last
9. Feet Wet Up
10. Welcome To Changes
11. Ian Green's Groove Conclusion