Back From The Raggedy Edge / Opaz featuring Ray Hayden

Back From The Raggedy Edge

プロデューサー/リミキサーとして名を馳せたUKソウルの貴公子、Ray Hayden。彼はアイルランド、ダブリン出身で、4歳のときにイギリスへ移民する。当時、英国では黒人や中国人と並んでアイルランド人への差別が強く、彼自身が黒人文化へ接近したのも当然の成り行きだった。1985年にスタジオを開設、翌年Opazと名を改めることからOpaz Productionsの歴史は始まる。その後、Martine GiraultやMica Paris、Swing Out SisterIncognito、The Brand New Heaviesなど数多くのアーティストを手がける。裏方としての敏腕ぶりは英国を中心に広まっていたが、むしろ、アーティストとしての知名度としてはリフレクティヴにも日本でもっとも高かったとも言える。自らのOpaz Recordsからシングルを数枚インディ・リリースしていたとはいえ、デビューアルバムの本作は日本先行発売(1994年9月28日リリース)。UKソウルに対する逆風が吹き始める英国では「いなたい」ジャケットで収録曲も異なる(アナログ・オンリー?)。とはいえ、本作は奇跡的にも美しいクールネスが散りばめられている。Joel Campbell (key)、Gary Belfield (flete, sax)、Steve Lewinson (double bass)はRonny Jordanのバンド・メンバー。Wayne Lawes (bass)は、Vannessa Simonにも関わった人物。また、Mica ParisやMartine Giraultといった女声ヴォーカルとともに、Ray Hayden自ら歌う(見た目以上にうまい)。実際、ソロでアメリカ進出してもおかしくないクオリティとサウンドでありながら、Opazという名義でそれを躊躇っていたのは、英国白人による黒人音楽の搾取に映ることを危惧していたこともある。しかし、その音楽は「ひとつのカルチャーの影響に捕らわれない英国という国に育った」ことを背景にしている。メロウでメロディアス=ポップかつクールさを感じさせる独特のUKソウルは、まさに異彩を放っていた。Opaz Ray Hayden
1. Back From The Raggedy Edge
2. When We're Maikin Love
3. Jasmin In The Air
4. I Don't Want It (Part 1)
5. I Don't Want It (Part 2)
6. I Love You
7. Octorber In London, I Found
8. You And I
9. I Always Intro
10. I Always
11. One On One
12. Oh My Goodniss Anutha Dope Jam Intro
13. Oh My Goodniss Anutha Dope Jam
14. Let's Unwind
15. Don't Say Nuthin