Seal

Seal
ナイジェリア移民の母とブラジル移民を父に持つSealは、1963年ロンドンに生まれたUK Blackである。80年代半ばにはファンク・バンドやブルース・バンド(タイのバンドらしい)で活動した経歴を持つ(インドや日本にも足を運んでいたようだ)。ヨーロッパからアフリカ、南アメリカ、アジアを知るという、まるでコスモポリタンのようだ。90年にはイギリスに戻って、ハウス/テクノ・プロデューサーのAdamskiとコラボレートし、シングル「Killer」をリリース。そのヒットをきっかけにZTTレーベルと契約し、Trevor Hornをプロデューサーに迎えて、このファーストアルバムを制作する。参加アーティストには、グラウンド・ビートの生みの親の一人である屋敷豪太や、Bomb the Bassにも関わった鈴木堅司(Kenji Jammer)の名前も見られる。その意味では、UK移民としてより、コスモポリタンとしてのアイデンティティがあるのかもしれない。「Crazy」はTrevor Hornのプロデュース・ワークとSealのソウルフルなヴォーカルがマッチした名曲で、世界的な成功をおさめた(UKで2位、USで7位、ドイツで2位)。アシッド・ハウスの余韻が残しながら、ロックやブルース、ソウルの要素も入り交じり合うハイブリッドなサウンドがポピュラーとなったのだ。
1. Beginning
2. Deep Water
3. Crazy
4. Killer
5. Whirlpool
6. Future Love Paradise
7. Wild
8. Show Me
9. Violet