London Underground

London Underground

Pressure DropことBlood Brothersによってコンパイルされた"a compilation of independent club/dance music"。DoradoレーベルのD*Noteや、後にMo' WaxやAcid JazzレーベルからリリースするRaw Stylus、後にSoul Jazzレーベルと契約するMoving In The Right Directionなど、メジャー・マーケットで活躍するわけではないものの、インディ・レーベルの雄が並ぶ。ロンドンという都市がコスモポリタン(いわば文化的多様性)であることを物語るように、一見、てんでバラバラに見えるコンピレーション。だが、クラブ・ミュージックに対する愛や情熱において共通していると謳われる。言い換えれば、商業主義的な音楽への抵抗なのだ。それは、ジャケット・インナーぶち抜きの"In The Land Of The Blind The One Eyed Man Is King"という暗示めいた言葉に象徴される。「裸の王様」のような意味が込められているそうだ。"London Underground"というタイトルにも、その都市の大動脈たるチューブ(地下鉄)の名に見せかけて、見過ごされているアンダーグラウンドの存在を二重に込めているのだろう。そう考えるならば、これはある音楽シーンを紹介するような陳腐なコンピレーションではなく、Blood BrothersによるDJ的な表現=作品と言えるのかも知れない。ちなみに、Paolo Hewittによるライナー・ノーツには、すべての有名な都市は独特の特徴を有しており、NYは「エナジー」であり、東京は「未来」なんだとさ。
1. Pushing Against The Flow / Raw Stylus
2. The Scheme Of Things / D*Note (featuring Krazy Cool D-Zine and Dee Major)
3. Show It To Me / Elaine Vassell
4. Night Rain / Joanna Law
5. Be There / Moving In The Right Direction
6. Mind's Intellect / Meta-4
7. Dub Rise / 11:59
8. Further East / Alpha & Omega
9. Everything'll Be Alright Tomorrow (Version) / Pressure Drop (featuring Rob & Constantine of Galliano)