Wortsport

Wortsport

Big HM Chief、Cool Muul、Schlimmer Fingerのトリオからなる、ドイツはケルンのジャズ・ヒップホップ・ユニット、EM:ZEH。ほとんど知られていないアーティストである。少なくともわかっていることは、Karmaなどを輩出したドイツのGroove Attack Productionsレーベルからの第一弾アーティストということと、『This Is Acid Jazz Volume 4』に「Wortsport」が収録されていたということ。当時、Gilles Petersonのプレイリストに入っていたという。
「Kamikaze」という曲名にも象徴的だが、とかく日本と近似的に比較されるドイツ。両国でアシッド・ジャズ的なシーンがほぼ同時期に形成され、その後も続いたことは興味深い。もっとも、EM:ZEHにはヒップホップの影響が強く見られる。モッズという歴史的背景を引きずる英国以外では、ヒップホップというインパクトがいかに大きかったのだか思い知る。エキセントリックなイントロではじまる「Sarajevo」は、とても印象深い。1990年に東西ドイツ統合された経緯も伏線にあるのだろう。サラエボの惨劇に対してEM:ZEHがドイツ人ならではの強い問題意識を持っていたことがうかがわれる。ちなみに、「Wie spät et ess」ではSoul ⅡSoulの「Keep On Movin'」がサンプリングされている。ドイツ語のラップだが、違和感のないジャズ・ヒップホップ。
1. Wortsport
2. Kamikaze
3. Sarajevo
4. Wie spät et ess
5. Staub zu Staub
6. Der 3. Schießbefehl
7. Beklopp
8. Kopier mit mir
9. Staub zu Staub(AcaBass Version)
10. Aaasch huh!
11. Wortsport(Chief Cocktail Mix)