Mo' Wax Presents Mo' Groove Vol.1

Mo’ Wax Presents Mo’ Groove Vol.1

1992年、当時弱冠18歳のJames Lavelleがロンドンで設立したインディペンデント・レーベル、Mo' Wax。U.F.O.によると、ロンドンのジャズDJを、70年代にナイト・クラブにジャズを持ち込む第一世代、Paul Murphyらを第二世代、Gilles Petersonらを第三世代と分けるならば、James Lavelleは第四世代にあたる。「アブストラクト・ヒップホップっていうか、少しだけジャズのテイストを持ったヒップ・ホップ」を目指すと言うように、停滞しはじめたそれまでのアシッド・ジャズ・シーンを乗り越えようとする志向があった。
93年という時期にロンドンではポスト・アシッド・ジャズへの転換が急速に進んでいたことが、Avex傘下jazz not jazzレーベルから(93年7月)リリースされたこのコンピレーションによくあらわれている。いわば、女性ヴォーカルを据えたバンド・スタイルのアシッド・ジャズ(Federationや、ここでは収録されていないRepercusionsも)から、やがて「トリップホップ」という言葉を定着させるアブストラクト・ヒップホップやブレイクビーツ・ジャズへの流れ。とりわけ、DJ Shadowは(タイトルは誤表記か、正しくは「In Flux」)「トリップホップ」シーンの旗手となる存在(サン・フランシスコ出身でありながらロンドンのMo' Waxを経由してアメリカン・マーケットで成功をおさめるという逆輸入的流れも興味深い)。Jamesの言葉によれば「とてもオリジナル」だというPalm Skin Productions「Spock With A Beard」は個人的にはU.F.O.の影響を感じてしまう。ちなみに、Palm Skin ProductionsもBubbatunesもSimon Richmondによるユニットである。
1. Life So Free / Federation
2. If / Step
3. Realise / Federation
4. Coast To Coast / Mistura
5. Come On / Marden Hill
6. Foods Of My Derhythm / Revolution Per Minute
7. This Is Just A Dance / Bubbatunes
8. Flux / DJ Shadow
9. Come On (2010 Version) / Men from U.N.K.L.E. Fearturing Marden Hill
10. Spock With A Beard / Palm Skin Productions