Heavy Duty Vol.1

Heavy Duty Vol.1

Heavy Duty vol1
1993年6月21日にリリースされた高木完のミニアルバム。あらためて言うまでもなく、高木完は東京のクラブ・シーンとともに歩んできた「生き証人」の一人だ。人種的な成立背景のない日本のヒップホップは(そして、少なからずアシッド・ジャズも)、実はパンク/ニューウェイヴの影響を受けた人々(とりわけ、ピテカントロプス・エレクトスという先端のクラブ=場に集う人々)によって牽引されていた。それはまさに、高木完の経歴と重なる。パンクやニュー・ウェイヴのバンド活動の後、ヒップホップへと傾倒していき、88年に藤原ヒロシ屋敷豪太らとインディ・レーベル、Major Forceを設立する。アメリカのヒップホップがDJやラップ、ダンスといった要素が渾然一体となっていたカルチャーであったのに対し、日本のそれはそれぞれが独自の発展を遂げるようなところがある。少なくとも、本作の高木完が象徴するのはラップでありハイブリッドなサウンド(それはパフォーマティヴなDJとは異なる)だろう。FrictionやCool Spoon、真心ブラザーズ、U.F.O.、そしてBernard Purdieヤン富田といったアーティストとのコラボレーションは、そんな実験的な組み合わせの一面を垣間見せる。
1. はじめに
2. Head!
3. Smokin With Cool (Monday Nigh)
4. ブルー・ファンク ~反逆から様式へ~
5. エッセンシャル・ロジック '93
6. ダイナミック ~Takagi Kan Meets Bernard Purdie~