Volume V Believe

Volume V Believe

Volume V - Believe
1995年8月11日にリリースされたSoul II Soulの5枚目のアルバムは、原点回帰のような作風だ。サウンド的にも重たいベース音が印象的なグラウンド・ビートが再び前面に出され、初期ディーヴァのCaron Wheelerが再び参加する(2,4,10曲目)。シングルカットされた「Love Enuff」は、シタールがフィーチャーされるなどオリエンタルな雰囲気も感じさせ、単なる回帰ではない。新たな挑戦という点では、ジャングル的なリズムの「Zion」で顕著だ。だが、アルバムのチャート・アクションは今までのなかで最低(UKチャートで最高9位)。それは、アーティストとしての賞味期限としても、ある意味で英国の西インド諸島からの移民を中心としたアイデンティティ表象回路を失ってしまった。もちろん、ここではアイデンティティ・ミュージックがポピュラー音楽として長くは機能し得ないことがあらわれているのだろうが。結果的に、Soul II Soulは、本作を最後にVirgin Recordsから離れる。ちなみに、JTQとも関わったMike McEvoyも参加している。ノスタルジックに消費されるには惜しまれるアルバム。
1. Love Enuff
2. Ride On
3. How Long
4. Feeling
5. Universal Love
6. Be A Man
7. Zion
8. Don't You Dream
9. Game Dunn
10. Sunday
11. Pride
12. I Care (Soul II Soul)
13. B Groove