Rite To Silence

Rite To Silence

Rite To Silence
ネオ・ビートニクというレッテルもなんのその、高いオリジナリティと幅広いハイブリディティを魅せたSandalsによる唯一のアルバム。その構成も、Massive Attackと並ぶほどトータリティが傑出している(US盤では⑪⑫が追加)。サウンド面では独特の重苦しさを感じさせるが、その上にさらに無国籍なエキゾチシズムが漂う。歌詞に込められたメッセージ性は、政治的であり、スピリチュアルであり、ネガティヴであり、ポジティヴでもある。Ian Simmondsは「ネガティヴィティだって人生の一部さ。ときに人は誰かに石をぶつけることもあるし、ぶつける相手を間違えることだってある。そういったことを曲で表現する。僕はスピリチュアルな天国や幸福なことばかり歌うつもりはないよ。いつだって幸せなわけじゃないからね」(『remix #37』より)と言う。このようなスタイルを持つSandalsはアシッド・ジャズにおける唯一無二の存在という称号にふさわしい。確かに、デビュー・アルバムのリリースとしては遅きに失した94年。時代はトリップホップへと移行しつつあった。だが、その先駆者としてもSandalsの存在は再評価するに値する。わずか1枚のアルバムをもって消えるアシッド・ジャズのアーティストのなかで、もっとも惜しまれる存在。
1. Profound Gas
2. Feet
3. Nothing
4. No Movement
5. Change
6. Ardens Bud
7. We Wanna Live
8. We Don't Wanna Be The Ones To Take The Blame
9. Lovewood
10. Here Comes The Sign
11. Feet (Dust Brothers Mix)
12. Feet (Wrong Side Of Town Mix)