For Pleasure

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Talkin' Loudを離れ、メジャーRCA/BMGへ移籍したOmarによる通算3枚目のアルバム。「There's Nothing Like This」(1990)で彗星のごとく現れた才気溢れるUKソウル・シンガーがついにアメリカ進出といった感じが漂う。それは、Motownで活躍していたLeon WareやLamont Dozier、David Frankらが参加していることにあらわれている。だが、Omarのスタンスは変わっていない。自らのヴォーカル・アンサンブルと独特のゆがんだエフェクト。そのサウンドは70年代ソウルへのオマージュを感じさせながらも、ハイブリッドな「ネオUKソウル」と呼ばれるほどの新しさを醸し出す。しかし、メジャー移籍は成功とスターダムをもたらしたわけではなかった。RCA/BMGによるプロモーションの力の入れようは思うほどではなく、Omarの(ストレンジな)独自性を十分にアピールできる舞台ではなかったようだ。「正当な評価」(Urban Music Awards 2006におけるBest Neo-Soul Act and Outstanding Achievement Awards)がなされるまでには、紆余曲折(この後、仏Naïve Recordsへ移籍、自らレーベルを立ち上げたり)を経る。「浪花節だよ人生は」という言葉が良く似合う。
1. My Baby Says
2. I'm Still Standing
3. Saturday
4. Keep Steppin'
5. Magical Mystery Interlude
6. Outside
7. Little Boy
8. Need You Bad
9. Can't Get Nowhere
10. Confection
11. Magical Mystical Way
12. Making Sense of It
13. For Pleasure