Drive-Thru Booty

Drive-Thru Booty

Drive Thru Booty
Fatboy Slimとして活動を始める前のNorman Cookによる、Beats Internationalに続くプロジェクトFreak Power。本作は、1994年11月26に日本フォノグラムからリリースされたファーストアルバム。オリジナルはIsland Records傘下の4th & Broadwayレーベルから。実は、このFreak Powerはきわめて純粋なバンド・スタイルである。NormanはGuitarを担当し、メインにはAshley Slaterという男声ヴォーカリストがとる。その他、Cyril McCammonがKeybords、Dale DavisがBass、Pete EckfordがPercussion、Jim CarmichaelがDrumといった布陣。おおよそDJとして大成するFatboy Slimの姿からは、ほど遠いサウンドがここにある。もちろん、そこに繋がるようなセンスは十二分に醸し出してはいる。Sly & The Family Stone の「Running Away」をカヴァーするなど、心憎いDJセンスを垣間見せている。流行の機を見るに敏なNorman Cookでさえ、94年のこの時期にアシッド・ジャズを引きずるようなプロダクションをしていたことは興味深い。ある意味で、ネオ・モッドだ。
1. Moonbeam Woman
2. Turn On Tune In Cop Out
3. Get In Touch
4. Freak Power
5. Running Away
6. Change My Mind
7. What It Is
8. Waiting For The Story To End
9. Rush
10. Big Time
11. The Whip

Brownswood Workshop: Multidirection

Brownswood Workshop: Multidirection

MULTIDIRECTION
U.F.O.プロデュースによって、1993年11月26日にBrownswoodレーベルからリリースされたコンピレーション。東京のみならず、京都や福岡のアーティストも収録されており、日本におけるアシッド・ジャズ・ムーヴメントの広がりを示唆する。それは、"Thinking global, acting local"という標語が当てはまるようにも見える。しかし、楽曲それぞれにローカルな違いを感じさせるわけでもない。むしろ、グローバルな都市文化なのだと思わせる。どの曲も似たような色合いというわけではない。アーティストの「独自性」と言われるようなものが説得力を有するほどにバラバラである。にもかかわらず、コンピレーションとしてパッケージングされることで何らかの共通性を植えつけてしまうこともまた事実だろう。だから、バラバラな活動が結びつくようなネットワーキングを見せていることの方が興味深い。ちなみに、United Future Organization「Upa Neguinho (Supa Neg Mix)」は、Young DisciplesのMad Marcoと、Demusによるリミックス。
1. Rising Sun / Kyoto Jazz Massive Project
2. Sittin' On The Fence / Small Circle Of Friends
3. Fly-Way / The Independent Colors
4. Beatitude / Jazz Brothers
5. Coolie Coolie Spooners / Cool Spoon
6. 真っ黒ニナル迄 / Muro From Microphon Pager
7. Upa Neguinho (Supa Neg Mix) / United Future Organization
8. Easy Bounce / Soul-Bossa-Trio
9. Elm / Nobukazu Takemura

Human Behaviour


アルバム『Debut』からの先行シングルカット。正直、Nellee Hooperのプロデューサー起用はいかがなものかというほど、アシッド・ハウス〜テクノのリミックスが並ぶ。しかも、それがオリジナルよりもはまっている。とりわけ、「Underworld Mix」は我田引水なところがありながら見事。
1. Original
2. "Close To Human Mix" remixed by Speedy J
3. Underworld Mix
4. Dom T Mix
5. Bassheads Edit

Debut

Debut

デビュー+1
1994年1月26日にPolydorからリリースされたBjörkのソロ「デビュー」アルバム(正確にはデビュー作ではない)の邦盤。オリジナルは1993年7月にリリースされている。アイスランド出身のマルチ・タレントの彼女が広く知られるきっかけは、もちろんThe Sugarcubesでの活躍ぶりを通してである。83年にその前身に当たるバンドKuklを結成し、86年にThe Sugarcubesとして活動をスタートする。しかし、89年頃よりソロ活動が目立つようになり、91年に808 Stateのアルバム『ex:el』に参加したことは転機を象徴する。92年にはThe Sugarcubesは実質的に解散、満を持して制作されたソロアルバムが本作となる。中心的なプロデューサーに元Soul II SoulのNellee Hooperを迎え、多彩な面々が脇を固める。たとえば、Howie B.やTalvin Singh、Jhelisa Andersonなど、アシッド・ジャズ〜トリップ・ホップのミュージシャンも関わっている。強烈な個性を放つ「声」だけでなく、並々ならぬこだわりがサウンド・プロダクションにも見て取れる。Bomb The BassのTim Simenonがリミックスしている「Play Dead」がBjörkらしい名曲。http://bjork.com/(Official Site)

1. Human Behaviour
2. Crying
3. Venus As A Boy
4. There's More To Life Than This (Recorded Live At The Milk Bar Toilets)
5. Like Someone In Love
6. Big Time Sensuality
7. One Day
8. Aeroplane
9. Come To Me
10. Violently Happy
11. The Anchor Song
12. Atlantic
13. Play Dead

Flower To The Sun

Flower To The Sun

Flower to the Sun
Mo'Waxレーベルのオリジナル・フルアルバムのなかでは、もっとも早くいリリースされることになるFederationのファーストアルバム。Si John (Vocals, Flugel Horn)、Jullie Lockhart (Vocals)、Alex Swift (Bass Guitar)、Danny Tomlin (Lead & Rhythm Guitar)、Giles Luckers (Keyboards)、Trevor Francis (Percussion)、Rob Merrill(Drums)、Stepchild (Rhymes)という編成。実質的な中心は、Si JohnとAlex Swiftであり、1991年に結成されたと言う。初期Mo'Waxのレーベル戦略は、いわゆるトリップホップ一本槍ではなく、女性ヴォーカルを据えたバンド・スタイルのアシッド・ジャズも並行していた。このFederationだけでなく、Raw StylusやRepercussionsが代表的だ。しかし、Federationがいち早くアルバム・リリースするのは不思議ではある。Raw StylusやRepercussionsがNYのGiant Stepルーツがあったことも一因かもしれない。それに対して、FederationはUKブリストル出身のバンドだったのだから。当時の日本でも、jazz not jazzレーベルがすかさずリリースする。
1. Like I Feel
2. Can U Feel It
3. Hold On
4. Realise
5. Rusty James
6. A Night In Chew Magna
7. Life So Free
8. Keep Pushing
9. Shine
10. If We Had It All

United States Of Mind

United States Of Mind

United States of Mind
The Style CouncilのMick TalbotとSteve WhiteによるTalbot & Whiteのアルバム。1993年12月1日にMo'Musicレーベルからリリースされた。TrattoriaではMenu.27、Mo'Musicでは通算6作目に当たり、日本発の企画。リード・ヴォーカルには、The Brand New Heavies「Dream Come True」共作者であり、GallianoやIncognito、Diana Brown & Barrie K. Sharpe、U.F.O.の作品にも参加したLinda Muriel。他にも、PushのJacko Peakeがホーン・セクション、元Level 42のドラマーPhil Gouldがキーボードで参加している。確かに、Mick TalbotとSteve Whiteアシッド・ジャズの屋台骨を担ってきたミュージシャンである。それは、初期Gallianoでの貢献を見ても明らかだ。Paul Wellerがソロ・アルバムをリリースしたことにも触発されたのかもしれないが、日本の企画で実現したプロジェクトというところが興味深い。それは、93年という時期には英国よりも日本の方がシーン=市場の中心となっていたということを示唆する。しかし、当時としてはバンド・スタイルのアシッド・ジャズの典型過ぎて、新しさはあまり感じられなかった。ともあれ、あらためて聴き直すと悪くない。
1. Favoured Nations
2. Ocean Beach
3. No Surrender
4. Don't Need To Worry
5. Black Diamond Pearls
6. Shades And Beads
7. Say You'll Never Leave Me
8. Deadly Beloved
9. Don't Look Away